坐禅の功徳 | 禅-入門-

禅 入門
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坐禅の功徳

心身一如

以下は、道元禅師が心身一如による坐禅の無限の功徳を説いた「正法眼蔵」を現代語訳にしたものである。

「もし人が、たとえほんのひと時でも坐禅をすれば、全宇宙の一切の存在が、仏の悟りの姿となり、それは釈迦とひとしい菩提樹下の尊い坐禅となり、また最上の教えを説き、最高の仏智を現成することができる。
しかもこの時、この人の坐禅が宇宙の一切の存在に与えた悟りの功徳は更に、坐禅をする人に還ってきて、その人をひそかに助けてくれるから、坐禅をする人は間違いなく心身の不自然な束縛から自由となり、従来のいろいろなけがれた感覚や意識を断ち切って、自然な人間本来のありのままな境地を体得することが出来るのである。
この時、全世界の国土、草木、障壁、瓦礫もみな聖なる仏事をなすので、その自然な利益に預かる者は皆、感覚、意識を超えて、不思議な仏の教化の助けにより、自己本来に具有している仏の心身を現成することができるのである。
しかも宇宙の一切の存在もみな、仏としての本来の姿と、本来の修証を現して、その深さは計り知れないものである。
それはたとえ十方世界の無量無数の仏たちが共に力を励まし、その全知全能を集めて、この一人の坐禅人の功徳を計り知ろうとしても、その無限の功徳については到底はかり知れないものがある」

       

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